修善寺
明治43年(1910年)8月6日、門下生松根東洋城(俳人)の案内で
修善寺温泉の菊屋旅館を訪れました。当地では散歩をし、俳句を作り、
読書をするなど、毎日をゆったりと過ごしたいと考えていました。
当初は古刹修禅寺、鎌倉幕府二代将軍源頼家墓、独鈷の湯などの
史跡名所を訪ね、読書をし、入浴を楽しむなど、ゆったりと過ごしていたようでした。
ところが、日を送るうちに病み(胃潰瘍)臥してしまいます。
この後、一時とは言え、人事不省(24日)という生命の危機にも
遭遇しました。そこで、医師団の森成鱗造、野田洪哉らの手厚い医療、
また夫人鏡子、友人門下生らの温かい心遣いがつづいて、
この後は徐々に体調を取りもどしていきます。こうして10月11 日、
当地を後にしました。
修善寺温泉での体験、思いなどは、後に、随筆 『思い出す事など』 として
詳しく朝日新聞に連載しました。また、当地での日記からは
漱石の当時の深い思いを、また多くの俳句、漢詩からは自然と
冥合するような静寂な境地などをうかがい知ることができます。
なお他に修善寺温泉なども描いた小説 『行人』(「塵労」)があります。
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